第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
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「美月ーーっ!!早く早くっ」
「わっ、分かってるよ!翔ちゃんいつにもまして早い!」
早朝にも関わらず玄関先で騒ぐ日向。
髪もまともに梳かせていないが、彼を黙らせるには急ぐほかない。
美月は寝不足気味の顔で玄関から出ると、電動自転車に飛び乗った。
「昨日寝れなかったの?」
隣で自転車を漕ぎながら日向が問う。
寝不足であることはすぐに彼に悟られてしまった。
「うん…だって緊張しちゃって夜眠れなかったんだもん」
ふわぁ~とあくびをする美月に、日向は満面の笑みで答えた。
「分かるっ!なんたって今日から、合宿だもんなっ!!」