第4章 インターハイ、秘密の応援策
数日前清水に垂れ幕の存在を知らされてから、
美月は朝早く登校し、女子更衣室での繕い作業に時間を充てていた。
ただでさえ朝練で朝が早いのに、皆にばれないようにと更に早く起きている分
眠気が昼にどっと押し寄せる毎日だった。
同じように毎朝早く登校していた清水がそんな疲労を1ミリも見せないのが不思議でしょうがない。
美月の場合、今朝なんかはついに寝ぼけて自分の針で自分の指を突き刺していたというのに。
早朝に修繕作業、部活、その後に授業、部活、家に帰ったらミサンガ作り…。
ハードな日々だったが、努力の甲斐あって修繕作業もミサンガ作りもようやく今日、
終えることが出来た。
(今日は放課後練習の前に清水先輩と職員室へ行って、
垂れ幕のことを武田先生に話して…。部活の終わりにお披露目だ)
垂れ幕を見た皆が驚き、喜んでくれる姿が目に浮かぶ。
ついついにやけてしまう口元を手で覆って、
午後の授業は過ぎていった。