第3章 カラスとネコと
(翔ちゃん…っ!試合、楽しいんだ…)
日向のスパイクが止められる度、胸が詰まる思いをしていたが、
彼が試合を楽しんでいるならば、美月にとってこれ以上嬉しいことはない。
彼の周りを見れば、そこには頼もしいチームメイトがいる。
汗を流し、懸命に前を見つめる仲間。
(私には、応援したり、サポートすることしか出来ないけど…)
「ファイトーッ!!」
声を上げれば、頷いたり手を上げたりと思いが届いたことを表してくれる。
(私も、皆と一緒に戦えてるかな?
こんなふうに思っちゃうなんて…試合ってすごいな、楽しいな!)
次の瞬間、今日何度目かの速攻を狙った日向は、目を開いていた。