第42章 文化祭当日
そう言って元の場所に戻って行った。
「やべぇ、マジでエロい」
「撮影禁止だからね。入り口に張り紙してあったよ」
「ねぇわー、誰だよ考えたの」
これを撮れねぇとか、テンション下がる。
『考えたのは私だけど、何か問題でも?』
こういう時の笑顔のかなたは、恐ぇな…
「イイエ、ナンデモアリマセン」
『あら、残念。ご注文は、お決まりですか?』
あからさまに残念とか、俺の前だとクールっていうかツンツンだと思う。研磨にはデレしか見せないのに…
「パニーニ」
『あるわけないでしょ』
「秋刀魚の塩焼き」
『定食屋に行きなさい』
「俺、ポテトと烏龍茶」
『かしこまりました。クロは?烏龍茶』
「おー飲む。あと白玉餡蜜1つ」
『ポテトと白玉餡蜜、烏龍茶が2つ。少々お待ち下さい』
何か、マジで可愛いから意地悪したくなるんだよな。
「…クロ。ほんと、好きだね」
「おー大好きだ。んで、愛してる位に思ってンだけど、伝わんねぇよな」
「…もう少し、意地悪しないで素直に優しくしてあげたら?」
「無理だな。俺のオプションだから」
「じゃ、諦めなよ」
「それも無理」
「そういうの天の邪鬼って言うんじゃない」
『お待たせしました。…ナニ?』
「なぁ、かなた。愛してる」
『………………は?…………寝ぼけてる?』
「ほらな。伝わらねぇ」
(何故だろう。クロの突拍子もない言葉に振り回されることがある。だけど絶対に教えてやんない。調子に乗るのが目に見えてるから)
オマケ(文化祭2日前、TV電話にて)
(もしもし、研磨?さっきの写メ、どう?)(似合ってる。手袋とかしたら、某アニメに出てきそうだよ)(手袋したら滑るんだもん)(じゃ、メガネしてみて。だて眼鏡あったでしょ?)(うん、ちょっと待ってね。よいしょ、かけたよー)(いいと思う)(私って、メイドより執事だよね)(メイドも可愛いと思うけど…)(身長高いし、似合わないよ)(じゃ、今度東京にきたら着てみたら?そういうの貸してくれるところあるってクロが…あ)(……何、その嫌な感じ感じの"あ"は…?)(もしかしたら、クロ。烏野の主将さんから文化祭の話聞いてるかもよ)(ないでしょ。わざわざ。だって、宮城と東京だよ?)(だといいんだけど…)