第25章 兄には欲しくない
何て思いながら、会計を済ませて帰り道。携帯を確認すると通知OFFにしている及川さんから20件近くの通知が…
「及川さんからか?」
『連絡先を教えて無かったんですけど、岩泉さんの連絡先から探したらしくて…』
「ははは…」
『本当に腹が立ったので、その時は脛に蹴りを入れました』
「…何か、新鮮だな」
『?』
「春風、学校では嫌って言いながらも影山と日向に勉強教えたり、月島と毒舌を言い合ったりするけど…なんつうか、あそこまでハッキリ言わないなぁと思って」
『最初は手加減してました。でも、調子に乗ってきて本音を言ったら黙ったので』
そう言うと、スガ先輩は私を見て笑った。
「ゴメン。兄の包容を本気で嫌がる妹みたいな図だなぁと思ってさ」
『あの人は兄に欲しくないです』
「確かに」
二人でそんな話をしながら、体育館に戻った。
(あれ?春風、何か疲れてる?)(面倒な人に見つかったんです。仁花は何処ですか!?)(ほぇっ!?)(私の癒し…幸せ(ギュッ))
(及川!てめぇ、春風にまたちょっかい掛けやがったな)(何で岩ちゃんが知ってるの!?)(あ"ぁ?春風に聞いたからに決まってるだろ!)(ちょっ!何で及川さんは無視なの!?)
あとがき
やっぱりスガさんか大地さんか岩泉先輩がお兄ちゃんですなぁ。