第11章 球技大会にて
「…なぁ、あれって谷っちゃんと春風だよな?」
俺達3年のサッカーが終わった後に、今度は1年の女子がサッカーだった。その中に仲良し二人組の姿を見つけた。
一年は、バスケとサッカー。5組の女子マネ二人は、俺達に気がつかなかったようでゼッケンを着て、すぐにコートに向かって行った。
「そう言えば、谷っちゃんは運動とか苦手って言ってたけど、春風はどうなんだろうな?」
「この間帰ってる時に話したけど、ほどほどに出来るって言ってた。谷っちゃんが、バスケで勝てる気がしないから二人でサッカーにしたって」
そうか、と返事をして普段は月島ほどじゃなくても少し冷めた印象を持つ春風がどの位出来るのか興味半分で見ていた。
開始から少し経っても、相変わらず冷めた感じでボールを追いかけている。
だが、暫くしてから事件は起きた。
「あれ?何か、春風怒ってない?」
「う、うん。何か、スッゴいオーラが出てる…」
それは、春風が他のクラスの女子に何か言われた後だった。
「え!ちょっ!?」
「何あれ!」
「あれって、リフティングって言うんだよな」
何て、スガと旭の驚く声に何故か冷静に答えている。それと同時に歓声があがった。
その後は、あっという間だった。仲間とパス回しをして最後はさっき話してた女子の頭上を再びリフティングで抜いて、ゴール。気がつけば、10ー1の大差で圧勝していた。