Fall in love with you【R18】
第6章 ●six
藍原の家までの帰り道、まだ少し蒸し暑さが身体を刺激してじんわりと汗をかく。
「わり、ちっとコンビニ寄るわ。お前なんか買うもんあるか?」
「いえ、特には無いです!」
「じゃあここで待っててくれ」
はい!と返事をした藍原を店の外で待たせて、ビールとつまみと藍原の好きそうなお菓子、あとゴムを買ってレジに向かった。
店員はゴムを見つけるなりチラッと俺に視線を向けてきたが何も言わず袋にそれを詰めた。
「待たせて悪いな」
「いいえ、そんなことないです。」
再び歩き出した2人にはいつもと同じで距離がある。手も繋がない。
もし誰かに一緒に帰ってるところを見られても「危ないから送って行っただけだ」と言えるように、と藍原が提案してきた。
好きだなんだかんだとくっ付いて回ってた頃とは偉い違いだ。
「お前さ、手ぇ繋ぎたいとか言わねぇの?」
つい口をついて出てしまった問いに藍原は笑って答えた。
「家に帰れば周りを気にせず繋げるじゃないですか」
と。笑った顔に少し違和感を感じたけど、“家に帰れば”という言葉対する嬉しさみたいなもんの方が勝ってしまい、違和感のことは忘れてしまった。