Fall in love with you【R18】
第5章 five
視線を少し動かすと嶋田さんの指先に赤い血が滲んでいるのが見えた。
「あっ!」
「ん?あーこれね、紙で切れちゃったみたいでさ」
よくやるんだよねーなんて笑う彼の隣にしゃがみこんでポケットに入れていたハンカチで血を拭き取った。
「な、何してんの!?」
「だって血出てるから…はい、絆創膏貼りますよ」
指を出して、視線で訴えるとチョコンと差し出されるゴツゴツした男の人の指。
烏養さんよりはちょっと細い…?
どこまでも烏養さん基準な思考を笑いながら嶋田さんの指に絆創膏を貼った。
「ありがと…あ、でもハンカチ!」
「家に帰ったらすぐ洗うので大丈夫ですよ?」
「じゃあせめて染み付かないうちに水洗いさせて!手…はマズイか。こっち、着いてきて?」
言われるがまま、嶋田さんの後を付いていくと案内されたのは所謂バックヤード。
「私、入っていいんですか?」
「いいのいいの!それに、聞きたいことあったんじゃないの?」
彼のその一言で私はそこへ足を踏み入れた。