Fall in love with you【R18】
第10章 ●ten
その後近況報告みたいな感じで仕事の話とかプライベートの話とか。
宮城(こっち)に戻ってきたのは仕事で移動を言い渡されたからだと言っていた。
今の彼氏とは上手くいっていて、このままだと結婚するかも~なんて惚気も言われた。
でも、ちょっとだけ、変な気がする。
「お前無理してねぇ?」
「……繋心には隠せないなぁ……彼氏さ、私のこと愛してくれてるみたいだけど、他にも女居るっぽいのよね……」
無理して明るく振舞おうとするところ、今でも変わってねぇんだな。
付き合っていた頃の事が頭の中に思い出される。
「お前だけを大事にしてくれるヤツを選べよ。ヘンな奴なんかに引っかかんじゃねーぞ」
「っはは!繋心お父さんみたい!」
「茶化してんじゃねぇ」
「うん、分かってるよ……こんな事なら繋心と別れるんじゃなかった……」
「ハル……」
「ごめんね、何でもない。じゃあまたね!」
口早に告げられ、途切れた音声。
……俺が本気で好きになる女は、いつも俺を惑わせてグチャグチャに掻き乱すんだよな……
「ほんと、そっくりだよ。そうゆうとこ」
藍原、もう寝ちまったかな……
気づいてくれただろうか、寝てる間にカバンへ忍ばせたアレの存在に。