Fall in love with you【R18】
第10章 ●ten
運転しながら指先だけ握られて、時々思い出したみたいに撫でられて。
そのこそばゆい感じが背筋をぞわぞわと駆け巡って下腹部の辺りがジンジンする。
やだ、なんかもう涙出そう…
「もうすぐ着くからほんの少し我慢してくれ。」
「…っ、はい。」
車の入った先はひっそりと佇むホテル。
「降りるぞ。」
烏養さんの一挙一動が気になって仕方ない。
ねぇはやく、はやく烏養さんでいっぱいにして。
不安も、焦りも、余計なこと一切考えられなくなるくらい滅茶苦茶にして。
「ほら、部屋ついたぞ。」
ぼーっとしながら歩いていたらいつの間にか部屋に着いていて、ちょっと暗い照明はこれからする事を想像させた。
とさり、荷物を降ろすと包み込むみたいに抱き締められて
「いいんだよな、抱いて。」
「ここに来て聞きますか?」
「それもそうだな。」
首筋に唇が這って、ちくりと痛みが走る。
「ここなら制服着てても見えんだろ。」
「もう…友達になんて言えばいいんですか。」
「彼氏に付けられたって言えばいい。」
抱きしめる腕の力が、少し強まった。