Fall in love with you【R18】
第9章 nine
カランコロン、烏養さんが店から出てきた音がした。
「藍原いったいどうした……!」
言い切る前に思いっきり抱き着いて腕を回した。
「烏養さん……今すぐちゃんと二人きりになれる所行きたいって言ったら怒りますか?」
顔を見られないようにぎゅっと腕に力を込めた。
「怒んねぇけど、なんでだ?」
「えっち、したいです…」
「っ!」
びくり、烏養さんの身体が揺れた。
「いやですか…?」
えっちな子、烏養さん嫌かな?嫌われちゃった?
意を決して顔を上げると片手で顔を覆っている烏養さんがいて、隠しきれていない耳がちょっと赤い気がする。
「烏養さん?」
「嫌なわけねぇだろ。クソッ…こんなとこで煽んじゃねぇよ。」
右手が頬に添えられ、腰も抱き寄せられる。
合わさった唇はすぐに離れて、そのまま車まで手を引かれた。
「ラブホでも構わねぇ?」
掠れた声が鼓膜に響いて身体の奥に熱が燻る。
「烏養さんに抱いてもらえるならどこでもいいです。」
「だから煽んなって」
掴まれたところが、熱くて火傷しそう…