Fall in love with you【R18】
第8章 ●eight
カーテンの隙間から差し込む朝日の眩しさで目を覚ますと、既に俺の宝物は隣におらず、一人ポツンとベッドに取り残されていた。
ベッド脇のチェストに置かれたまるい目覚まし時計は5時を指していて、早朝の仕事があったことを思い出し飛び起きた。
「やっっべぇ!!」
散らかした服を掻き集めて身に纏うとドタドタと慌ただしく階段を駆け下り、さっきから音のするキッチンに顔を出す。
「俺朝の仕事あったの忘れてたわ!わりぃけどもう行く!」
「あ、烏養さん待って!」
大きめの声に呼び止められて振り向くとハイ、と差し出された包み。
「朝ごはんです。良かったら食べてください。」
「お、おう…さんきゅ!」
予期せぬ出来事にガラにもなくキュンキュンと胸をときめかせつつ、後ろ髪惹かれる思いで藍原の家を出た。
朝飯とか…嫁かよ、出来すぎじゃねえ?
悶えそうになるのを堪えつつ、衰えた肺を無理やり働かせ走る。
つーかヤった上に寝んの遅かったじゃねぇか。なんで藍原起きれてんだ…
突如感じた年齢の差に思わず溜息が漏れた。