Fall in love with you【R18】
第1章 First
車を数分走らせて見えてきたのは坂ノ下商店。
「じゃあ車置いてくから店の前で待っとけ」
「はい。」
店から徒歩数分のところにある私の家までは烏養さんが歩いて行ける距離。一人でもいいって言ってるのに聞く耳を持ってくれない。
「おし、行くぞ。」
「はい。」
歩いて帰る時、いつも烏養さんは車道側を歩いてくれる。
そんな小さなことで私の好きはどんどん募っていく。
「ボーッとしてんな。転けるぞ。」
ポン、と頭に乗せられた手のひらにドキリと心臓が音を立てて跳ね上がった。
「気ィつけろよ」
気遣ってくれる優しさが、いちばん好き
「烏養さんの優しいところ好きです」
「俺が優しいねぇ」
ねぇわ!とタバコ片手に笑った烏養さんは凄くかっこよかった。