Fall in love with you【R18】
第7章 seven
人を好きになる瞬間は人それぞれで、まさに十人十色。100人いたら100通りあることだろう。
「俺の場合は、」
そこまで言って、ふと口をつぐんだ。
「烏養さん?」
「あー……俺は、なんつーか、ふとした時にそいつのことを考えて幸せになるっつーか、そいつの名前を見ただけで幸せな気持ちになれたら好きなんじゃねぇかと思う。」
言いたい事、ちっとも纏まんねぇ。
ガシガシと頭を搔くとポケットの中でケータイが振るえた。
何となく気恥ずかしくてバレー部の奴らの顔を見れず、ケータイを取り出してメッセージの相手を確認した。
《藍原優稀:夜更かししたらダメですよ。》
夜更かしって……俺はガキかよ。そんな歳じゃねぇっつーの。
ようやっと顔を上げるとびっくりした顔を向けられた。
「何だよ。」
「烏養さんの言ってた事分かった気がします!烏養さん、めっちゃ幸せそうな顔してましたもん!」
俺…そんな顔してたのか…
今度は顔面を覆いたい気持ちに駆られた。