第8章 サイコパス
「俺さ、だからプリーストって職業で嬉しかった。だってみんなを助けられるだろ?だから、頑張ってもっともっと強くなるよ!」
陽くんはそう言って椅子から飛び降りた。
「じゃぁ、俺もそろそろ帰るよ!おっさん!またゲームでな!雛!また学校でな!」
そう言って陽くんは店を出て行った。
「…光みたいだ…。」
陽くんが出て行った後、
優月さんがボソっとそう言った。
「コウ…?」
私はその言葉を復唱した。
「いや、なんでもない。」
優月さんはそう言ってまた、洗いものをはじめた。
「…?」
「さて、雛。家まで送るよ。明日から少しゲーム内では会えないが、頑張れよ。」
「はいっ!」
そうして、
優月さんは私をバイクで家まで送ってくれた。
私はずっと考えていた。
これからどうすればいいのか。
そして、少しずつゲームの世界に順応していく
自分がなんだか怖くなっていた。
そのうちあっちの世界に飲み込まれて
こちらに戻れなくなるのではないか…と。
今はただ、
生きたい。
そのためには
戦うしかないのだろうか…?