第6章 日常世界。
何時間寝ただろうか…
まだ窓の外はうっすら明るいぐらい。
私はけたたましい携帯のバイブ音によって起こされた。
「うわぁ!?アラームにしてたっけ?」
私は携帯を手にとると、
画面を見た。
陽くんから電話がかかっていた。
「…もしもし?」
「あ!もしもしー?雛?俺だけど!」
「陽くんどうしたの?…今何時かな…。」
私はゴソゴソと近くにあった目覚まし時計を手にした。
時計が示している時刻は
AM:6:00
「あ、わりぃ。寝てた?」
陽くんは少し焦ったような声になった。
「…うん、大丈夫だよ。どうしたの?」
私は眠たい目をこすりながら言った。
「あのな、俺、今おっさんの家出て家に帰ってるんだけど…」
「うん。」
「雛、商店街の近くの公園わかる?」
「わかるよ。」
「そこにさ、カラスが居るんだよ!」
「…うん、朝だからね、ゴミとか狙ってるんじゃないかな?被害すごいみたいだし」
「バカ!違うよ!そのカラスじゃねぇよ!」
「ん?・・・あ。」
一瞬"カラス"と聞いて鳥のほうを考えていたが
よくよく考えたら多分ゲームの中の方の
"カラス"さんのことなんだと気がついた。
「わかったか?とりあえず、俺、今隠れてそいつ監視してるから、お前も来い!」
「えぇ!?でも優月さんが危ないって…」
そう言い掛けたときには既に電話は切られていた。