第2章 ゲームヲハジメマスカ?
私は学校に到着し席についた。
「雛ちゃぁん、おはよぉ」
黒髪ボブでたれ目のぼけーっとした感じの女の子が寄って来た。
「あ!乃亜、おはよ。」
この子は私の親友の香村乃亜(コウムラ ノア)。
小学校から現在に至るまでずっと同じ学校に通っている。
天然でおっとりしててドジで…いつもほっとけない感じの可愛い女の子。
「あのねぇ、数学の宿題忘れちゃったぁ…見せてくれる?」
いつもの舌足らずな甘ったるーい声でお願いしてくる乃亜。
「もう、仕方ないなぁ…」
たまらず、私はカバンから数学のノートを取り出した。
その時ヒラリと先程のチラシが落ちた。
「ん~?何これぇ?」
乃亜が落ちたチラシを拾った。
「あぁ、それ何か朝から商店街で配っててさぁ・・・」
「ふぅん…ゲームかぁ。楽しそうだねぇ~」
乃亜はふにゃぁっと笑った。
「えぇ?胡散臭くない?何も書いてないしさ…」
私は数学のノートを乃亜に差し出しながら言った。
「ん~?でも、乃亜のお家パソコンないからできないやぁ」
乃亜はノートを受け取りながら私にチラシを返した。
「え?パソコンなの?これ?」
私は手にしたチラシに目を通した。
私は何度もチラシを見たがパソコンとは書いてなかった。
「へへー、絶対にパソコンだよ!乃亜の勘!ノート借りるねっ!」
そう言って乃亜は席に戻って数学の宿題を写しはじめた。
…不思議な子だ。