第4章 GAME START
"全プレイヤーノ方ニオ知ラセデス"
ドコからともなく抑揚のない機械のような声が響いた。
"タダ今ヨリ戦争イベントヲ開始シマス"
「…戦争…?」
陽くんは首をかしげた。
"最後マデ生キ残ル事、ソレガ勝利条件デス"
"優勝者、及ビ優勝パーティニハ『コノ世界ノ権利』ヲ差シアゲマス"
"皆様ノ御健闘ヲオ祈リシテオリマス"
その言葉を最後に抑揚のないアナウンスは途絶えた。
「優月さん!どういう事ですか?」
私は優月さんの方を見た。
「…わかんねぇ、こんなのはじめてだ。」
優月さんの顔が青ざめていた。
「わかんねぇって…おっさん!どうすんだよ!」
陽くんは優月さんに掴みかかりそうな勢いで近づいた。
「…とりあえず、なんかヤバそうだから、パーティ組むぞ。」
優月さんはそう言って手を出した。
「…あの…?」
私はどうしていいか分からず優月さんを見た。
「…あぁ、わりぃ、俺の手の上に手を重ねてくれるか?」
私と陽くんは言われるままに優月さんの手の上に手を重ねた。
「Contact!」
優月さんがそう言うと重ねた手の甲が光だし、紋章のようなものが浮かび上がった。
「…なんだこれ?」
陽くんは眉間にシワを寄せながらじっと見つめていた。
「それはPT(パーティ)の証だ。」
「PTってなんですか?」
私は尋ねた。
「あぁ、チームって事だ。とりあえず、ざっとだが、この世界について説明する。よく覚えるんだ。いいな?」
優月さんは真剣な顔をしていた。
私と陽くんは頷いた。