第11章 アカシックレコード
訓練所で律さんとしばらくスキルの練習をした。
「おつかれー。少し休憩しようか。」
律さんはそういうと、
部屋の端っこに座り込んだ。
私も律さんの隣にすかさず座った。
「雛ちゃんは明日、怖い?」
律さんは私の顔を覗き込んだ。
その真っ直ぐな目に、
私は嘘をつけず、思わず黙り込んでしまう。
「やっぱり怖いよねー。」
律さんはケラケラと笑った。
「律さんは怖くないんですか?」
私のその問いかけに
律さんは静かに笑った。
「…もう慣れたかな…。」
「そんなに戦いした事あるんですか?」
「ううん。そっちじゃなくて、死ぬかもしれないことに…。」
そう言って笑う律さんの顔は
なんだか悲しそうで
胸が痛くなった。
「…私ね、死ぬ時はキレイに散りたいなぁー!なんて思うんだよね!」
「…そんな死ぬ時の事なんて考えないでください。」
「ごめんね。けど、多分もう長くないんだ。」
律さんはそういうと私の手を握った。
「私ね!雛ちゃんみたいな女の子のお友達が出来て嬉しかったの!」
律さんはニコニコと笑いながら
私の手を強く強く握った。
「現実の方でも昔から体が弱くてお友達がなかなか出来なくて…こっちの世界来てからも女の子のお友達はなかなか出来なくて…だから嬉しいな。」