第11章 アカシックレコード
「樋渡光の中に居る奴の正体は人工知能(AI)を持ったこのゲームのシステムだ。」
蘭丸さんがそういうと、
全員が眉をひそめた。
「システム?」
「そう。アカシックレコードと呼ばれているらしい。」
「アカシックレコードってあれだよね。宇宙の全てのことが記録されてる所みたいなファンタジーなあれでしょ?」
カズトラさんは目を輝かせてそういう。
「おう。あいつはこの世界のアカシックレコードになるように。と、この世界の知識とそれ以上を探るようにする認知欲のようなものが植えつけられているらしい。」
「…に、認知欲?」
陽くんはその蘭丸さんの言葉に
頭を抱えていた。
「つまり、知りたい、理解したい、探求したい。って言う欲求って事か?」
優月さんがフォローするようにそう聞く。
「そういうこった。が、システム開発者の思惑がはずれて、今あのアカシックレコードは暴走を続けているようだ。」
蘭丸さんは溜息をついた。
「…暴走?」
「そう。自分の欲に従い、自分の欲望どおりに動いている。」
なにやら難しい話しに、
私は少し、ついていけずに居た。