第10章 OLDEN DAYS
「やぁ、優月くん。どうだい新しい僕の器は…。」
そう言って光はクルクルと回って見せた。
口調以外は全て光だった。
光は助かったのか・・・?
横たわっていた
マスターが起き上がった。
「…こ…ここは…?」
「やぁ、幸蔵。君の務めはもう終わった。…眠れ。」
そう言うと、光はマスターの首を掴んだ。
「…うっぐ…っかがががが…」
マスターのうめき声のような苦しそうな声が響き渡る。
"ペキッ"
小枝が折れたような
そんな音が聞こえたと思うと、
マスターは動かなくなってしまった。
「ふん…少し力が弱いな…。まぁ、こんなものか。」
光は自分の手を眺めた。
そこに居るのは…
光であって
光ではなかった…。
「優月くん。僕は約束を守る人間だからね。君は見逃してあげるよ。光くんに感謝するんだね。…行くぞ。エリ、小太郎。」
そう言うと、
先程まで光だった何かは
その場を去って行った。
俺はただただ呆然と
その場にヘタリ込んでいた。
周りには無数の仲間達の遺体と
マスター。
夢なんじゃないかって…
夢であれと
何度だって何度だって願って…
しばらくすると
鐘が鳴り、
目を開けると、
自分の部屋に居た。