第10章 OLDEN DAYS
「よかったな。ほら、ココアだよ。」
マスターは笑顔で少年にココアを差し出す。
「さんきゅー!おっさん!」
少年はふぅーふぅーとココアを冷やしながら
飲み始めた。
「お前、名前は?」
「樋渡光(ヒワタシ コウ)!」
「へぇー、光か。わかった。よろしくな。」
俺が手を差し出すと、
光は嬉しそうに俺の手を握った。
「よろしくなっ!優月!」
「おい、年上には敬語使うもんだぞ、ガキ。」
「…俺ガキじゃねぇもん!」
「じゃぁ、いくつだ?」
「16歳。」
「ガキじゃねぇか!」
俺がそういうと、
光はぷぅっと頬を膨らませた。
それから、光はゲーム内でも
現実でも、俺と一緒に居るようになった。
光はなんど言っても
プリーストっていう職を理解してないのか
前線に飛び出していくバカだった。
そのたび、光を守るのが
俺の役目になっていた。
現実世界でも、
すぐに不良にでも絡んでいく
正義感の強い奴だった。
気がつくと俺はいつだって
光に振り回されていた。