第1章 第一章
「宗次郎・・・・・・もう熊やオオカミとかと戦わないで」
「熊は確かに危険ですが、オオカミはそれほどでもないです。大丈夫ですよ。僕が時音さんを守りますから」
「宗次郎・・・・・・」
私と居ると宗次郎戦っちゃう・・・・・・。
私・・・・・・居ない方がいいのかな・・・・・・。
居ない方がいいよね・・・・・・。
「どうなさいました?」
「ううん、なんでもないよ」
「今夜は良い夜だ。時音さんが居るから全然寂しくない」
・・・・・・宗次郎・・・・・・。
「ねぇ、宗次郎、私が居るのと居ないのと、どっちが良い?・・・・・・私・・・・・・宗次郎の足手まといになってるし・・・・・・私が居ない方が・・・・・・」
「一緒に居てください」
私の言葉を遮って宗次郎が強く言った。
真剣な顔つきで私を見る宗次郎。
「――っ」
息をのんだ。
とても美しい――宗次郎――。
「僕は・・・・・・今まで一人で旅を続けてきました。最初のうちは一人でも全然問題ありませんでした。でも、いつか一緒に語り合える仲間やあるいは・・・・・・その・・・・・・その・・・・・・」
宗次郎が心なしか頬を赤く染めている。
「その・・・・・・恋仲になれる人が・・・・・・欲しいなと・・・・・・思うようになったんです」
恋仲・・・・・・。
「だから・・・・・・その・・・・・・僕と一緒に居てください・・・・・・これからも」
宗次郎が私を真っ直ぐ見つめて私の手を強く握った。
それって――。
私って宗次郎の恋人――!?
って思われているの――!?
「あ・・・・・・はい・・・・・・もちろん」
私はオロオロしながら答えた。
宗次郎がにっこりと微笑む。