第1章 第一章
「宗次郎――。私、この時代には知り合いとか居ないから・・・・・・だから・・・・・・その・・・・・・しばらく明治時代の生き方を教えてもらえないかな?」
「・・・・・・はい。もちろんですとも。しかし驚きました。時音さんが未来から来た人だったなんて。未来から来た人初めて見ましたよ」
「・・・・・・宗次郎が居てくれたら・・・・・・明治時代も怖くないよ」
宗次郎が少し驚いたような表情をして、目を細めて顔をそらした。
「照れますよ・・・・・・。僕にできる事なんてそうそう多くないです・・・・・・」
「ううん。宗次郎、お願い!!私を宗次郎の旅のお供にして!!」
「えっ?」
宗次郎が私の顔を見る。
宗次郎と一緒に旅をしてみたい!!
離れたくない・・・・・・。
宗次郎と一緒に生きてみたいんだ!!
「お願い!!」
「解りました。ただ、僕の旅はこれから危険が付き纏いそうです。それでもいいですか?」
「うん!!」
「・・・・・・僕が全力であなたをお守りしますよ」
宗次郎が微笑んだ。
心臓が跳ね上がった。
「さて・・・・・・今夜はどこで寝ましょうか・・・・・・。あ・・・・・・」
宗次郎が自分の着ている藍色の和服についた返り血を見た。
「困りました・・・・・・血の匂いに引かれて熊とか来ようものなら・・・・・・。ちょっと着替えますね」
宗次郎が藍色の和服を脱ぎ始めた。