第7章 体育大会
麗「・・・棒倒しねぇ・・。」
結局、競技として残しちゃったけど、随分危険なんだよなぁ。話を聞く限り。
麗「でも、棒倒しなくすの反対って昨日生徒会室に乗り込まれたしな・・・。」
バァンッといきなり扉が開き、男の人は私を見つけて近寄って来た。
「棒倒しを競技から外すと検討しているのは本当か!?」
麗「え、えぇ・・・そうだけど。」
「そんな事は許さん!!!!」
バンッと叩かれた机。上に乗っていた書類がパラパラと落ちた。
「棒倒しは男子にとって一年で一番の見せ場だ!!なくす事は認めん!!!」
麗「・・・貴方、誰?」
了平「ボクシング部主将!!笹川了平だ!!」
麗「・・・棒倒しは毎年、怪我人が耐えないと聞きました。殴る、蹴るのは当たり前。総大将は毎年傷だらけ。・・・今まで大きな怪我人が出なかったのが奇跡だと思わざるを得ません。」
了平「しかし、この競技がなければ体育祭は盛り上がらんぞ!!」
麗「騎馬戦でもいいじゃないですか。」
了平「今からそんな時間などあるまい!!」
体育祭まで1カ月あります。
麗「1か月ありますけど。」
了平「すでに棒倒しの作戦会議は行われているぞ。」
麗「待機の命令を出したはずですが。」
了平「どのクラスもやっておる。」
麗「・・・分かりました。いいでしょう。その代わり、勝敗が決まった時点ですぐに競技を終了します。」
了平「そうか!話の分かる奴で何よりだ!!!」
ワッハッハ!!と笑う笹川了平。
麗「・・・嫌な予感がするのよねぇ・・。」
ボソッと呟いた言葉は、目の前にいた彼には届かなかった。