第1章 〈銀魂〉まずは肩慣らし
「銀時だけではない。他の者を視て“村人”だったとしても、“狼憑き”である可能性は捨て切れぬ」
「なんつうか……情報が随分と複雑になりやしたねェ。面倒くせェ」
占い師の話を聞いて、沖田は頭を掻いた。
「幸いなことに、人狼も誰が狼憑きか知らぬ。それ故、ひょっとすると狼憑きは人狼に既に喰い殺されている可能性もある」
「……新八が狼憑きだったって可能性もあるってことアルカ?」
「そういうことも考えられる」
神楽は目を伏せた。
「ややこしいな。てことはやっぱり、基本的には人狼を見つけるしかねェってことですかねィ」
沖田は神楽と土方を見た。
「ま、俺からすると……人狼は残り3人の中の誰かになるが……」
銀時はまだ役職が判明していない3人を見た。
「銀ちゃん!? ワタシ違うヨ!?」
神楽は銀時の袖を掴んで叫んだ。
「可能性の話だよ。そっちのお2人さんの方が怪しいけどな」
「旦那、甘いですねィ。身内は疑わないってことですかィ? 俺なんか、土方さんが人狼だって決めつけてまさァ」
沖田はニヤリと笑った。
「オメーはいつも通りだな!?」
土方は怒りながら煙草を吸っている。