第1章 〈銀魂〉まずは肩慣らし
「……旦那、あんたまさか……」
「安心しなんし。銀時はシロ……村人じゃ」
「なんでィ」
「銀ちゃんが人狼なわけないアル!」
ぼやいた沖田に神楽が言い返す。
「……月詠……お前さァ……何で真っ先に俺を占った?」
銀時は腕組みをして月詠に尋ねる。
「1番うさんくさい奴を真っ先に占うのは当然だろう」
「酷!?」
月詠の言葉が心に深く突き刺さる。
「じゃが……味方と判れば心強いでの」
彼女は柔らかく微笑んだ。銀時も微笑む。
「で? 水を差すようで悪いが、悪い情報っつうのは?」
土方が月詠を見て聞いた。
「……残念なことに、今の情報があまり意味をなさないということじゃ」
「? どういうことアルカ? それ……」
「占いの結果から判ったことじゃ……人狼がこの村に紛れ込んだと同時に、人狼に取り憑かれてしまった者がおる……人狼と違って人を喰らうことはせぬが、人狼側の味方となった者……“狼憑き”が1人いるのじゃ。問題は村人と何ら見分けがつかぬこと、わっちの占いでも“村人”としか視えぬ」
「……てことは、万事屋は人狼ではないが……“狼憑き”として人狼側が有利になるように動いてる可能性はあるってことか」