第1章 〈銀魂〉まずは肩慣らし
「ソレ使って視れるんだろ? 人狼か、村人か……」
「ああ、だが……わっちは一晩に1人しか占えん。対して人狼も一晩に1人……村人を襲う。今晩……確実に誰か死ぬ」
ーーこれ以上、人は減らせない。人狼だと疑わしい人を処刑したところで、もし人狼でなかったら村人は全員殺されてしまう。それよりは、人狼の尻尾を捕えることに集中して……誰かを犠牲にするのがいいと考えられる。
「そんな……どうしようもないアルカ?」
神楽は青ざめている。
「情報が少なすぎるな。このままじゃ、人狼は吊れねェ」
土方が冷静に神楽に言った。
「チャイナ、怖いんですかィ?」
「は? やっぱりお前が人狼だろ!? じゃなきゃ、今晩お前が死ね!」
「おい、お前ら!」
神楽と沖田が言い合いを始めたので、銀時は2人の間に割って入った。喧嘩をしていては話し合いにならない。今は人狼を探し出すことが大事なのだから。
「情報ならまだありんす。良い情報と悪い情報が……」
「何だ?」
銀時はまだ喧嘩を続けている2人の間に入りながら、月詠を振り返った。
「昨夜すでに銀時、ぬしを占った」
銀時の表情がピクッと固まる。