第1章 〈銀魂〉まずは肩慣らし
4人は村から少し離れたところにある占い師の館に来た。
「何じゃぬしら、わっちの占いは信じておらんのではなかったのか?」
「占いを疑ってたのは俺らじゃねェよ。こいつら」
銀時は細めた目を土方と沖田に向ける。
「旦那ァ……そいつは仕方ねェですぜィ? 人狼は近藤さんだっつうから……アレでも一応俺たちのボスだったんで」
「疑って悪かった。念の為と近藤さんを見張ってたら、深夜にお妙を襲っているところを発見した。まさか、こんなことになるとは……」
ーー耳は獣のように大きくなり、嬉しそうにニヤニヤ笑ってお妙の首元に牙を当てていた近藤……ずっと仲間だと思っていたのに……。
「姉御も……新八も……2人とも殺されてしまったアル……」
「……神楽……」
涙目になっている神楽を見て、銀時は彼女の背中をさする。
「残念じゃな……もう、この村にはわっちら5人しか残っておらん。そして……近藤を捕えた後に犠牲者が出たということは……この5人の中にもう1人、人狼がいる。それだけは確かじゃ……」
5人は互いを見る。ーーこの中に、裏切り者がいる……。
銀時は月詠の後ろにある机に目を向けた。そこには水を張った皿のような物と蝋燭が2本、対になって置かれている。