第8章 〈沖田〉今日こそは……
お昼のご飯も食べ終わり、私たちはレストランを出た。
「次はどこに行くの?」
「次はこっちだ」
総悟は私の手を引き、どこかへと向かって行く。
「……」
(この駅でこっちの方へ歩いて行くってことは……)
「まさか……っ」
総悟が連れて来てくれたのは海沿いの少し小さいが、ジェットコースターや観覧車もある本格的な遊園地だった。ーーずっと私が行きたかったところでもある。
「……」
私は遊園地のゲートを見上げながら、少し前に総悟を誘った時の会話を思い出した。
『ねえねえ、ここ行かない?』
『あ? 遊園地ですかィ?』
『そう! ここの観覧車から見る夜景がとっても綺麗なんだって! テレビでやってたの!』
『俺、そういうのあんまり好きじゃないでさァ』
「……」
(あの頃は好きじゃないって言ったのに……)
隣にいる総悟をチラッと見た。
「さあ、行くでさァ」
総悟はこちらを見ず、私の手を引いて中へ入って行った。
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