第8章 〈沖田〉今日こそは……
それからのデートはびっくりするものだった。あの総悟がずっとエスコートをしてくれ、あの総悟がデートプランまで立てていた。私はずっと後をついて行くだけだった。
「次はここのレストランでご飯食べるでさァ」
総悟が指差したのは人気で予約がいっぱいだという今、話題のオシャレなレストランだった。
「え!? でも、総悟……ここ……」
「大丈夫でィ」
総悟は私の心配をよそに中へ入って行く。
「予約した沖田ですが」
「あ、はい! 沖田様ですね。ご案内致します」
ウェイトレスさんが優しく微笑み、中へと案内してくれた。
「……」
(なんか……)
ーー今日の総悟は変だ。どうしたんだろ? いつもはこんなことしてくれないのに……これじゃあ……。
「別れにくくなっちゃう……」
私も単純だなと思いながら、総悟の後について行った。
+