第7章 〈阿伏兎〉夜兎の使命を守るため
「団長、いい加減にしてください」
「何で俺がそんなのを書かないといけないの?」
「提督からの命令です」
「俺はそんなの書きたくない。俺は戦いだけしてたいんだ」
そんな会話を聞きながら、阿伏兎はため息をついた。かれこれ1時間くらい、ずっとこの状態が続いている。
「そんなに重要なことなら、阿伏兎が書けばいいじゃん」
「阿伏兎さんに頼ってばかりいてはいけないと提督からのお達しがありました。今回は阿伏兎さんを頼らないでください」
「あのバカ提督……殺しちゃうぞ」
「そんな物騒なことは言わないでください。団長が言うと、シャレになりません」
さっき、物騒なことを言ってたのはどこのどいつだという顔をして阿伏兎はまたため息をついた。
「団長、朝霞、それくらいにしとけ」
さすがに見ていられなくなった阿伏兎が2人の間に仲裁に入った。
「阿伏兎さん」
「わかってる。団長、そんなに書きたくないか?」
「うん」
「何でそんなに書きたくないんだ?」
「めんどくさい」
ニコッと背筋が凍るような笑顔を向けて神威は言った。
「仕方ねェな……。団長、今回までだぞ」
「阿伏兎さん!」
目を細めてニコニコしている神威と対照的に朝霞は怒っている。