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優しいキスをして【裏夢】

第3章 優しいキスをして〈3〉


「血圧低下してます!」
「心拍乱れてます!」
「帝王切開の準備!!急げ!!」







ものすごく遠い所から声が聞こえてくる
まぶたが重くて……体も……動けないやん


うちは今どうなってるん?
これから……どうなるんやろか……


陽斗は痛い思いをしとらへんかな




「いっちゃん……!がんばって……!!」




しーちゃん?
なんや泣きそうな声して
泣いたらアカンよ……




あー……なんかフワフワしとるわ



なんやお花畑が広がってるやん




『一花……』

『隼也……此処におったん?』



うちの目の前に現れた隼也の顔を見てると不思議やね
めっちゃ安心するわ。



『迎えにきたぞ』

『……そうか。ほな、一緒に帰ろか……』




「赤ちゃんが泣きません!!」
「母体の脈とれません!!」

「……いっちゃん!!……お願いだから……っ……戻ってきて!!」





『陽斗は連れて行けないぞ』

『え……?なんで?』

『陽斗にはやる事があるだろ』

『うちらがいなかったら陽斗が可哀相やんか』

『大丈夫。俺たちで陽斗を見守っているから……寂しくないだろ』

『……そうやね……』


うちの腕の中で軽い寝息をたててる陽斗に頬ずり

なんて、柔らかいんだろ

愛おしくて涙が溢れてきてしまう。



『陽斗を還してやれ』

『……うん』

『また陽斗には会えるからな』

『……うん』





───陽斗
ほんまは一緒にいたいんやけど……堪忍な
今は一緒にいる事は無理やねん───







「あ!赤ちゃんが泣きました!!」





───しーちゃん、陽斗の事
よろしゅうお願いします────







「……え?……いち……か?」








<<<続く

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