第1章 レイプ
涙が溢れた。
「親が死んでから…親戚の家をたらい回しにされて、どこに行っても邪魔者扱いされて…誰も信じられなくて、やっと友達だと思える子に出会えたのに…その友達にも騙されてレイプされて…。」
私は何故、よく知りもしない人にこんな話をしているのだろう。
いや、よく知らない人だからこそ、話せるのかもしれない。
黒川さんは黙って私の話を聞いていた。
「黒川さんは、どうして私に声をかけたの…?」
そう聞くと、黒川さんは悲しげに笑った。
「俺が知ってる女に似てたから。」
この人も、何か訳ありのようだ。
私はソファーに横になった。
「寝てもいいですか?疲れちゃった。」
「何もしないから安心して寝なよ。」
そうは言いつつも、もしかしたら黒川さんも態度を変えるかもしれない。
信用した訳ではなかったが、もう、疲れてしまった。
私はそのまま眠りについた。