第1章 レイプ
シャワーを浴び、脱衣所に置いてあるバスローブを借りた。
下着はドライヤーで乾かした。
部屋に戻ると、黒川さんは煙草を吸いながら窓の外を眺めていた。
「黒川…さん。」
そう声をかけると、彼は振り返った。
「温まった?」
「うん…ありがとう。」
「まぁ、座りなよ。」
そう言われ、広い部屋の中心にある大きなソファーに座った。
「シュリさ、何で家族いないの?」
「8年前に事故で死んだ。」
ふーん…と呟きながら、黒川さんもソファーに座った。
「あ、吸う?」
黒川さんが煙草を差し出してきた。
私は首を横に振った。
「未成年だし…。」
そう言うと、黒川さんは少し驚いた。
「え、そうなの?20歳くらいに見えた。」
「まだ18だよ。」
「大人っぽいねぇ。」
突然、黒川さんが私に手を伸ばした。
先程の事もあり、思わず後ずさってしまった。
黒川さんは苦笑いをした。
「何もしないよ。ちょっと頭撫でようとしただけ。」
「なんで撫でるの…。」
「だってお前、ずっと泣きそうな顔してるから。」
その言葉で、張りつめていた糸が切れた。