第7章 復讐の日
私の両親は事故で死んだのではない。
あの日…9年前の12月24日、私の10歳の誕生日。
両親がお祝いしてくれた。
お母さんが作ってくれた豪華な食事、お父さんが買って来てくれたホールのショートケーキ。
年に一度の誕生日を両親と楽しく過ごしていた時に、突然見知らぬ若い男が土足でリビングに入って来た。
その男の手には拳銃。
私は訳が分からず固まってしまった。
お父さんが私とお母さんを庇う様に男の前に立ち、男はお父さんに拳銃を向けた。
「九条香澄、知ってるよな?」
お父さんは黙って小さく頷いた。
「お前がレイプしたんだよな?」
男がそう言った瞬間、お母さんが凄く驚いた顔をした。
「答えろ。」
男が低い声で問うと、お父さんは小さく震えた声で「はい…。」と答えた。
その瞬間、男がお父さんに向かって何発か銃弾を放った。
お父さんは倒れ、体から沢山の血が流れ出た。
お父さんが倒れた拍子に、バースデーケーキが床に落ちてグシャグシャになった。
それを見たお母さんが今まで聞いたことのない声で叫んだ。
男はお母さんの額にも銃を放った。
お母さんは倒れ、すぐに動かなくなった。