第7章 復讐の日
「まずは自己紹介をしとこうか。」
黒川さんは淡々と話始めた。
「自己紹介…?」
「シュリがずっと知りたがってた俺の名前。本名は桐島隼人(キリシマハヤト)。」
「桐島…隼人?」
「シュリが名前当てゲームで"ハヤテ"って言った時は少し驚いたよ。惜しかったね。」
だからあの時黒川さんは一瞬目を丸くさせたのか…。
でも今はそんなことどうでもいい。
「なんで全然違う名前名乗ってるの…?」
「仕事上、本名は明かせないからね。"黒川"は仕事上の名前。」
ショックだった。
名前は教えてくれなくても、"黒川"という苗字は本当だと信じて疑わなかったから。
「本名を明かせない仕事って…黒川さんの職業ってなんなの?」
緊張から鼓動が速くなる。
私は必死に声が震えるのを抑えて問いかけた。
「職業はね…。」
黒川さんは表情一つ変えないまま、ジャケットの内ポケットからある物を取り出した。
それを見た瞬間、私は驚いて反射的にソファーから立ち上がった。
「殺し屋、って言ったら分かりやすいかな?」
黒川さんの手には、黒い拳銃が握られていた。