第7章 復讐の日
「シュリ、嬉しそうだね。」
食事をしていると、黒川さんがそう言った。
「うん、だって人生で初めて誕生日のお祝いしてもらって、ずっと憧れてた青い薔薇の花束ももらって…幸せだよ。今が人生で一番幸せかも。」
「そっか、よかったよ。」
ただ一つ気になるのは、黒川さんは先程からずっと何処か悲しげというか…何か違和感がある。
その違和感が何かは分からないまま、時間は過ぎて行った。
食事を終えると、黒川さんが私を見つめた。
「なに?」
「…明智政樹(マサキ)。知ってるよな?」
「え…。」
明智政樹は、私の父親の名前だ。
それをどうして黒川さんが知っているのだろう。
「私のお父さんの名前だけど…なんで知ってるの?」
黒川さんは煙草に火を付け、口元に弧を描いた。
「全てを話すよ、シュリ。」
嫌な予感がした。
私を見る黒川さんの瞳に、感情が無くなったから。