第7章 復讐の日
夕飯を作り、黒川さんの帰りを待った。
「ただいま。」
黒川さんがリビングに入って来た。
その腕に抱えている物を見て、私は驚いた。
黒川さんが抱えているのは、大きな青い薔薇の花束。
「シュリ、誕生日おめでとう。」
黒川さんは花束を差し出した。
「青い薔薇の花束の話、覚えててくれたの?」
「うん。」
「ありがとう!」
そう言って黒川さんを見ると、何故か少し悲しげに微笑んでいた。
「黒川さん…?」
「なに?」
「何かあった?」
「何もないよ。」
少し気になったが、それよりも今は花束に目を奪われた。
「凄い綺麗…黒川さん、本当にありがとう!」
記憶を無くす前のことは分からないが、こんなに幸せな誕生日は生まれて初めてだった。