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神様の悪戯

第6章 "その人"の名前


「それに私…ひなことは親友になれたとか勝手に思ってた。」

そう言って笑うと、ひなこは私に抱き付いた。

「親友って思っていいの?」

「うん。私もそう思ってるから、ひなこもそう思ってよ。」

ひなこは大きく頷いた。

端から見たら綺麗事なのかもしれない。
それでも、経緯はどうあれ同じ辛さを味わったひなこを突き放すなんてできなかったから。

それなら憎しみなんて捨ててしまった方がいい。

憎しみは憎しみしか生まない。
そんな言葉を何処かで聞いた気がする。

そんな負の連鎖にとらわれていても自分が辛いだけだ。



その後、ひなこの家に遊びに行き、他愛もない話で盛り上がった。

結局あれ以上ひなこに黒川さんの話はしなかったが、ひなこと笑い合ったら朝の虚しさは無くなった。

深夜、私はマンションに帰った。
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