第5章 不審な出来事
次の日曜日。
学校に行くと、ひなこを見付けた。
「ひなこ!」
ひなこは振り返り、笑った。
「シュリ…!」
私はひなこに駆け寄り、抱きしめた。
「良かった…やっと会えた。あれからどう…?」
そう問いかけると、ひなこは複雑そうな顔をした。
「ひなこ…?」
「あのね…あの三人、急にいなくなったの…。」
「…え?」
ひなこは戸惑いながら話した。
「最後に会ったのが今週の火曜日で、毎日連絡してきてたのにパッタリ連絡が来なくなって…。」
「三人同時にいなくなったってこと?」
「うん。正直助かったけど…三人同時にいなくなるなんて、ちょっと不気味だよね。」
その時、私が妊娠した時に黒川さんが言った言葉が頭を過った。
「それなら、そいつ俺が消してやろうか?」
先週の日曜日に黒川さんにひなこの話をして、三人がいなくなったのが今週の水曜日以降。
まさか黒川さんが…とは思ったが、黒川さんは三人の名前すら知らない。
そんな黒川さんに何かできるはずがない。
それなのに、三人が消えたことに黒川さんが関わっているのではないかと疑ってしまう自分がいた。