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神様の悪戯

第4章 募る不信感と恋心


「黒川さんがずっと笑ってるから全然怖くなかったじゃん!」

「いや、だってシュリのあの反応…。」

黒川さんはお腹を抱えて笑っていた。

こんな風に笑う黒川さんを初めて見れたから良しとしよう。

「次はねー…。」

「そこのカップルさん!射的やりませんか?」

最初は私達に声をかけていると思わなかった。

「シュリ、射的だってよ?」

「え?私達に言ったの?」

射的屋の方を見ると、中年の店主が笑顔で手招きをしていた。

「そうそう、そこの美男美女のカップルさん!」

「カップル!?違いますよ。」

「違うんですか?手繋いでるからてっきりカップルかと…。」

その時私は無意識に黒川さんの手を握っていたことに気付いた。

「ご、ごめんねっ…!」

「いや、別にいいけど…。」

黒川さんは全く気にしていないようだったが、私の方が意識してしまった。

「射的ねぇ…シュリ、なんか欲しい景品ある?」

黒川さんにそう言われて沢山並ぶ景品を見た。

その中に、有名なブランドのネックレスの箱があった。

前から可愛いと思っていたが、私なんかの稼ぎでは到底手の届かない品だった。

ただ、箱はとても小さいし狙いづらそうな場所に置いてある。
簡単に倒れないように箱の後ろは板で支えてあるし…。
お店側もそう簡単に取られては困るのだろう。

「あのネックレス…可愛いけど多分取れないよね?」

「あれ?取れるよ。」

黒川さんは店主に300円を渡し、射的の銃を手に取った。

玉は5発。
恐らく連続で当てないと倒れない。

私は少し緊張しながら見届けた。
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