第4章 募る不信感と恋心
「シュリ、今日はどっか行こうか。」
唐突に黒川さんが言った。
「え?」
私は黒川さんの方を向いた。
同居を始めて2週間経つが、どこかに行こうと誘われたのは初めてだ。
「どっか行きたい所ない?」
そう言われても…特に思いつかない。
「んー…。」
悩む私を見て、黒川さんが言った。
「ま、じゃあとりあえず準備して。」
「わかった。」
出かける準備をしてる時に思いついた。
「黒川さん、横浜!横浜行きたい。」
「横浜?いいけどなんかあるの?」
「ほら、大きい観覧車あるじゃん。この前テレビで見たの。あれ乗りたい。」
「ああ…いいよ。じゃあそこ行こうか。」
私の中で一気にテンションが上がった。
観覧車どころか、遊園地に行くのも初めてだから。
支度を終え、私達は横浜へ向かった。