第17章 変態に恋されてしまいました5題
5.大人しいとなんだか寂しいです(……気のせいでした!)
いつもと違う静かな夜
私はお湯を沸かして紅茶を飲んでいた
どうやら臨也は風邪をひいて家で寝込んでいるらしい
さっきメールが来ていた
「これは見舞いに行ったほうが良いのか?」
1人頭を抱える
風邪をひいていると知っていて行かないのはどうかと思うが、
何故か最近臨也を見ると何とも言えない感じになる
親にも友達にも見放された私を唯一気にかけてくれた存在だからだろうか
という理由から1人で自問自答している
「やっぱり行くべきか、良し、行こう」
そして10分程歩いて臨也の家(入るのに気が引ける程の高級マンション)に到着する
いつ以来だろうかこうやって私から臨也の家に訪ねて来るのは
ピンポーン
しばらくすると
『……はーい』
と鼻声な臨也の声
「臨也、見舞いだ、鼻大丈夫か?」
『亞璃亞……ありがと……今開けるよ』
ウィーンと自動ドアが開く
そしてエレベーターを上り部屋に行くと臨也がドアの前で立っていた
「亞璃亞おはよ、」
「おはよう……ってお前は馬鹿か、風邪なのに外に出るな」
「来てくれたからさ、」
「ああ、迎えてくれてありがとう、だが自分の体を第一に考えろ、ほら、寝ろ」
「ごめん……」
「……」
「……」
「……」
無言が続く
なんだか調子がでない
あの臨也がすぐ謝るとはどういう事だ
反応に困る
ふともう寝ている臨也をみる
頬を紅潮させしんどそうに眉をひそめて寝息を立てている
何となくそこに近づいて私はいった
「早く元気になれよ、じゃないと私が困る」
針はいつの間にか12時を指していた
「今日は泊まらせてもらうね」
私は置いてあったソファーの上で寝た
5.大人しいとなんだか寂しいです
(亞璃亞〜!)
(うわっ、起きて直ぐに抱きつくなっ!)
(起きて亞璃亞が居るから悪いんだよ)
(はぁ……)
5.大人しいとなんだか寂しいです(……気のせいでした!)
どんな事をされても貴方なら許せる
どうやら私は貴方に完全に毒されているようです