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【おそ松さんR18】君がため

第10章 十四松のひみつ【十四松】




松野家で生活し始めて、1週間が過ぎ、2週間が過ぎ、……だんだん時間の感覚がなくなってきた。


小父さんと小母さんは、未だに帰ってこない。

ふたりは本当に海外旅行に行ったのだろうか。

けれど、そんなことは、わたしには関係ない。

もう、……わたしには関係のないことだ。




あの日から……トド松くんが夜中にわたしの首を絞めた日から、トド松くんは、家にあまり帰って来なくなった。

その代わりに、一松くんが妙に優しくなった。


一松くんは、わたしに身体を求めてこなくなった。


カラ松くんも、一緒に散歩に出掛けた日に身体を重ねたのが、最初で最後だ。

今、わたしに身体を求めてくるのは、おそ松くんとチョロ松くん、そして十四松くん。


けれども、そんな十四松くんの様子も、このごろおかしいのだ。


いや、このごろ、ではない。

十四松くんは、最初から、おかしかったのかもしれない。



「十四松くん……?」


冷蔵庫の麦茶をとるために足をふみいれた台所には、すでに先客がいた。

彼は、台所の隅にうずくまって、こちらに背を向けていた。

めずらしく、普段のびきったパーカーの袖で隠している腕が外に出ている。


「十四松くん……なにしてるの?」


おそるおそるたずねると、十四松くんの顔がわたしをゆっくりと振り向いた。

いつもの、笑顔だった。




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