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【おそ松さんR18】君がため

第9章 もっと欲しい【トド松、おそ松】




その日の深夜、みんなが寝静まったころ。

わたしは、パジャマの肩のあたりを引っ張られる感覚で、浅い眠りから起こされた。


見ると、枕元にトド松くんが座っていて、熱のこもった瞳でわたしを見つめていた。


「トド松くん……どうしたの」

トド松「さくらちゃん、ちょっと付き合って」


トド松くんは、うるんだ瞳でそんなことを言った。


正直、彼は可愛い。きっと、男の子から見ても可愛いと感じるような、そんな何かをもっている。

だから、そんな目でそんなことを言われて、断れるはずがなかった。


わたしは、促されるままに布団を抜け出し、トド松くんについて寝室を出た。


「どこに行くの?」

トド松「トイレ」

「えっ……ああ、トイレね」


なーんだ。トド松くん、トイレかあ。

そういえば、彼は、夜中に一人でトイレに行くのが怖いとかで、よくチョロ松くんやカラ松くんを起こしている。

それが、今夜はわたしだったらしい。


わたしとトド松くんは、連れ立って一階にあるお手洗いに向かった。


「じゃあ、廊下で待ってるから。ごゆっくりどうぞ」

トド松「えっ、何言ってるの? さくらちゃんも一緒に入るの」


ぐいっ

腕をひかれて、わたしは、お手洗いの中に引き込まれた。

トド松くんは、後ろ手にお手洗いのドアをしめると、ますます熱のこもった色っぽい瞳でわたしを見た。


「あ……」

トド松「最近、なかなか二人きりになれなかったからさ……寂しかった」


トド松くんの腕が、ぎゅっとわたしを抱きしめる。

強い力だったけれど、優しい抱きしめ方だった。


「うん……そうだね。最近、二人きりってなかったね」

トド松「夜中に起こしちゃってごめんね。でも、我慢できなくて」


トド松くんの声は、小さく震えていた。

泣いているんじゃないかと錯覚するほど、彼は弱っていた。


本当に寂しかったんだ……こんなふうになるくらいに。


トド松「さくらちゃん……」


トド松くんからの、触れるような優しいキス。

そんな小鳥のついばみのようなキスを何度も繰り返し、最後にしっとりと唇を重ね合う。

さっきの優しいキスとはうってかわって、深い大人のキスを繰り返す。



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