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【おそ松さんR18】君がため

第8章 お仕置き【チョロ松+一松】




翌朝、目を覚ますと、隣にカラ松くんの姿はなく、居間にも誰もいなかった。

一週間前と同じだ。


そっと布団を抜け出して、二階を覗きにいく。

しかし、そこにも誰の姿もなかった。

つまり……この家にいるのは、わたし一人。


「みんな……どこに行ったんだろう」


買い物? パチンコ?

帰ってくるまでに何時間かかる?

全員一緒に出かけたんでないとすれば、誰が最初に帰ってくる?


わたしは、玄関に向かった。


玄関に置かれている、固定電話。

受話器を手にとって、ダイヤルを回せばいい。

それだけで、外の世界と通じる。


わたしは、震える手で受話器を取り上げた。


後のことなんて、考えていなかった。

ただ、魔がさした。

それだけだった。


しかし。


「さくらちゃん……なにしてんの」


背後から声をかけられて、わたしは反射的にそちらを振り向いた。

そこに立っていたのは、

チョロ松くん。そして、一松くん。


ぞわっと、背筋を冷たい汗が流れていく。


「あ……こ、これは、その」

一松「へえ。その電話、どこにかけるつもりだったの」

「ち、ちが……」

チョロ松「ちがう? なにが? どこかに電話かけたかったから、受話器を手に取ったんだろ?」


チョロ松くんの手が、わたしの手首をつかみあげる。

手から受話器が滑り落ちた。


一松「あ……そっか、そういうことか」

「え……?」

一松「昨日の夜、カラ松に抱かれて、自由になりたくなったのか」

「いっ、一松くん!? 見てたの!?」

一松「自由になれば、カラ松とも付き合えるもんね」

チョロ松「でも、そんなの許さないよ。ごめんね、さくらちゃん」


チョロ松くんは、口角を吊り上げて笑った。

その笑顔は、まるで悪魔のようで……わたしは、本能的に危険だと悟った。


「ふ、ふたりとも、ごめんなさいっ! ごめんなさい、許して……!」

一松「……って言ってるけど、どうする?チョロ松兄さん」

チョロ松「うーん、どうしようね、一松」

一松「あ、でもさ、チョロ松兄さん、前に言ったんだよね? 逃げ出そうとしたら、手錠でも鎖でも使って雁字搦めにするって」

チョロ松「ああ、そうだったね。そういう約束だったな」


そう言って、チョロ松くんは、背後から手錠を出した。


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