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【おそ松さんR18】君がため

第7章 夜長の秘密【カラ松】




カラ松「さくらのご両親は、まだ帰ってこないのか?」


カラ松くんにそんなことを訊かれたのは、夕食のあと、居間でみんなでテレビを見ているときだった。


やっぱり、と心の中で呟く。

やっぱり、カラ松くんは、わたしがここで生活している理由を知らないんだ。


「そ……そうなの。なかなか帰ってこなくて。まいっちゃうよ」

おそ松「たしか、お祖父さんが倒れたんだっけ。大変だよな〜」

「そうそう。ほんと、大変……」


おそ松くんの話に合わせてうなずくわたしを、カラ松くんは、なんともいえない無表情で見つめている。


「ど、どうしたの、カラ松くん」

カラ松「悪いんだが、ちょっとさくらと二人で話がしたい。さくら、外に散歩にでも行こう」

「えっ……」


わたしは、とっさに他の5人を見た。

わたしがこの家で生活し始めて一週間。その一週間、わたしは、家から一歩も出ていなかった。

きっと、外に出たいと言っても許してもらえないだろうと思い、その願望を口にすることもしなかった。

しかし。


おそ松「いいじゃん。行ってくれば?」


おそ松くんの言葉に、わたしは目を見張った。

まさか、許してもらえるなんて。


「おそ松くん……いいの?」

おそ松「なんだよ、それ。別にオレに許可とるようなことじゃねーだろ」


おそ松くんは、そう言って、軽快に笑った。


カラ松「ありがとう、兄貴。さくら、支度したら行くぞ」

「う、うん」


こうして、わたしは、カラ松くんとふたりで散歩に行くことになったのだった。



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