第50章 ふたりだけの世界《カラ松END》
カラ松「…さくら」
お風呂から上がって、布団を敷くために2階に上がろうとしたとき。
不意に、背後から呼び止められた。
振り向けば、そこにはカラ松くんがいた。
「カラ松くん……もう銭湯から帰ってきたの? みんなは?」
カラ松くんは、先ほど、他の兄弟と一緒に銭湯に出かけたばかりだった。
いつもなら、みんなで一緒に帰ってくるのに……
カラ松「ああ、ちょっとさくらと話がしたかったから、ブラザー達を置いて帰ってきたんだ」
「……」
カラ松くんがしたい『話』というのがなんなのか、わたしには何となく検討がついていた。
逃げられない、と思った。
ちゃんと向き合わなくては。カラ松くんに。そして、わたしたちの未来に。
「……うん。じゃあ、居間に行く?」
カラ松「いや……もっとゆっくり二人で話したい。今から出かけないか?」
「えっ、今から……?」
カラ松「ああ、今から」
熱のこもった瞳で見つめてくるカラ松くんに、あ、ホテルに行くんだな、と悟った。
わたしは、どうすることもできず、
気がつけば、首を縦に振っていた。