• テキストサイズ

【おそ松さんR18】君がため

第47章 夏祭り【カラ松+トド松】




「んー……遅いなあ、おそ松くんとチョロ松くん」


ぼーっと遠くを眺めながら、手持ち無沙汰に下駄で地面を軽く蹴る。

からん、という下駄の音が鳴る。

そんなわたしの横を、幸せそうに寄り添うカップルや、大はしゃぎの子供たち、楽しそうな家族連れなんかが通り過ぎていく。


今日は、ここ、赤塚神社で行われる花火大会の日。

わたしは、浴衣を着て、下駄を履いて、いつもはおろしている髪の毛もアップにして、精一杯着飾ってきた。

本当は、来るつもりはなかったのだけれど、6つ子のみんなが、どうしてもわたしと花火大会に行きたいっていうから……

だから、こうして頑張ってお洒落して来たのに……


「もう〜っ、遅すぎるよ……どこで道草くってるんだろう」


こんなことになるなら、一緒に家を出ればよかった。

おそ松くんが、「待ち合わせするカップルの気分を味わいたい」とか言い出すから、こうして一人で会場まで来たのに!


ちなみに、今日は、2時間ごとに一緒にまわる人を変えて行動する予定。

最初の2時間は、おそ松くんとチョロ松くん。

次の2時間は、一松くんと十四松くん。

そして、最後の2時間は、カラ松くんとトド松くん。


最初は、7人で一緒にまわろうと思ったのだけれど、さすがに7人で行動したら誰かがはぐれて迷子になりそうだったから、こういう形に落ち着いた。


???「だ〜れだっ」


不意に、目の前が真っ暗になり、息をのむ。

けれど、すぐに、目を手で覆われたことに気がつく。


「はあ……遅いんだけど。何してたの、おそ松くん」


わたしは、その手を掴み、ぐるっと後ろを振り向く。


と、へらへらと笑うおそ松くんと目が合った。

その隣には、相変わらずの困り顔のチョロ松くんがいる。

ふたりは、それぞれ赤と緑の甚平に身を包んでいる。


チョロ松「ごめんね、さくらちゃん。遅くなって」

おそ松「悪いなー。結構待ったっしょ?」

「待ったどころの話じゃないよ…! もう帰ろうかと思った!」

おそ松「そう怒んなって。はい、これでも食って機嫌なおして?」


そう言っておそ松くんが差し出してきたのは、

真っ赤なりんご飴。


「え……?りんご飴?」



/ 464ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp